心血管系疾患コースⅡ(胸部大動脈解離・肺塞栓症編)

コース概要

心血管系疾患コース(全4コース:Ⅰ~Ⅳ)は、心血管系疾患において救急現場で重要な7疾患(急性冠症候群、胸部大動脈解離、肺塞栓症、不整脈、心不全、心筋炎、たこつぼ症候群)の病態と初期診療の考え方を学ぶコースです。心血管系疾患コースⅡは、胸部大動脈解離・肺塞栓症の病態生理と初期診療(原因疾患診断法と初期治療)の考え方を学び、臨床現場で直ぐに活用できる能力を身につけることを目的としたコースです。

胸部大動脈解離・肺塞栓症は急性冠症候群の次に重篤な疾患です。これらを診断するには血液ガスと心電図が有用です。胸部大動脈解離は主に破裂(心タンポナーデ、胸腔内出血)を起こすとほとんどが、①意識障害、②ショック、③重度乳酸アシドーシス、④心電図でV4~V6を中心に上行型ST低下、またはV3~V5を中心に陰性T、の4所見を呈します。これらの4所見を確認することで胸部大動脈解離破裂の診断・初期治療について学びます。肺塞栓症はほとんどが心電図で診断可能です。肺塞栓症の基本病態は右心負荷ですが、右心負荷所見を前提として肺塞栓症を心電図分類すると①陰性T型(V1~V4を中心に陰性T)、②ST低下型(V4~V6を中心にST低下、③ST上昇型(Ⅱ・Ⅲ・aVF・胸部誘導のST上昇)の3型に分かれます。これらの心電図所見を確認することで肺塞栓症の診断・初期治療について学びます。

コースの進行方式は、①総論(胸部大動脈解離・肺塞栓症の概念、心電図でのST-T変化の読み方、胸部大動脈解離・肺塞栓症の診断法と初期治療)の講義、②実際の症例(ERシナリオ)を使い模擬診療実践(実技)の2部構成で行い、後者(模擬診療実践)が主になります。実際の症例(ERシナリオ)を使った模擬診療実践では、まず模擬診療(実技)をしていただき、その後、症例ごとに各病態の診療マニュアルのまとめを講義(実践的まとめ)していきます。

この方法を用いることで臨床(救急)現場に近い感覚で症例を実践でき、胸部大動脈解離・肺塞栓症に対する臨床(救急)現場での初期診療(診断から初期治療まで)マニュアルをより実践的に理解できます。

このコースは、ACLSコースやACLS-EPコースを受講するためには有益と思われますが、ACLSコースやACLS-EPコースの受講に必須ではありません。希望者のみの自由参加コースですので、認定証は発行されません。

コース内容
1.胸部大動脈解離・肺塞栓症総論
1)胸部大動脈解離・肺塞栓症の概念
2)心電図でのST-T変化の読み方
3)胸部大動脈解離・肺塞栓症の診断法

2.胸部大動脈解離・肺塞栓症の症例とまとめ(実技、まとめの講義)
(実技、まとめの講義)
1)胸部大動脈解離破裂(ST低下型)
2)胸部大動脈解離破裂(陰性T型)
3)右室(下壁・右室)梗塞を合併する胸部大動脈解離
4)肺塞栓症(陰性T型)
5)肺塞栓症(ST低下型)
6)肺塞栓症(ST上昇型)
7)胸部症状を呈しない肺塞栓症

受講条件、コース時間、受講料
受講条件
どなたでも受講できます
コース時間
約4時間
受講料
初回のみ7,700円、2回目以降は無料で何度でも受講可能です。
講師
  1. 河野 寛幸(こうの ひろゆき)
  2. 福岡博多トレーニングセンター理事長
  3. 日本救急医学会専門医、日本脳神経外科学会専門医、臨床研修指導医
評価と認定

希望者だけの自由参加コースのため、認定証はありません。

使用テキスト

コース当日に、このコースのための「コース資料」を受付にて配布いたします。

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